雨上がりの午後に、裏の庭を散歩していると夏の香りがした。

正確に言うと、子供の頃の夏を思い出す香り。 夏の野草、キツリフネ。黄色のこちらの花と、隣には紫色のツリフネソウがいつの間にかたくさん咲いていた。その、蜜の香りだった。

思い出したのは小学生の時の夏休み。毎日野菜出荷のお手伝いに駆り出されていた。子供の仕事は、出荷する野菜を入れる箱を切った野菜の横に並べたり、その箱の中に包装用の新聞を一枚ずつ入れたり、大人が野菜を詰めた箱を閉じて封をしたり。

出荷作業がひと段落すると、畑の横の木陰でお茶を飲みながら一休みする。 その木陰に、キツリフネとツリフネソウが咲いていた。その時の映像が流れてきた。出荷の手伝いは嫌いだったけれど、お茶の時間が楽しみだった。真夏だけど木陰は涼しくて、みんなで桃やりんごをむいて食べたり、お菓子を食べたりした。野菜を取り終えた畑のマルチ(畝に被せるビニール)の上で落ちた野菜が強い日差しで焼けていた。

「香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記録される」これは千早茜さんの「透明な夜の香り」の一節。ドルチェ&ガッパーナの香水のせいではないけれど、香りは記憶を呼び覚ますということに妙に納得しながら読んだ。

この花たちの名前を知ったのはつい最近のこと。それまでずっと“魔女の爪”と呼んでいた。花を指先につけると、先がカールした爪みたいになるから。そして、魔女の爪は種も面白い。パンパンに膨らんだ種を触るとパチンとはじけて、種が勢いよく出てくる。はじける前の種を探しては、ちょんちょんと触ってはじけさせていた。そろそろ、たくさん種がなる時期。久しぶりに種はじけさせてみようかな。

皆様の、夏の香りはなんですか?

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